イタリア語の giallo と日本語の「黄色」

libro giallo、直訳すると「黄色い本」。
これが「推理小説」を指すことは、ご存知の方も多いかと思います。

けれどもどうして「黄色」が「推理小説」なのか、ご存知ですか?

これは、推理小説の表紙の色に由来しています。

モンダドーリ(Mondadori)という大手出版社から出版されたIl Giallo Mondadoriという推理小説シリーズ。
この表紙が黄色だったことから、libro gialloやletteratura giallaという言葉が生まれました。

Richard Austin Freeman - L'affare D'Arblay (The D'Arblay Mystery) - I Gialli Mondadori 1931
こんな表紙。本当に黄色い。

イエローページと同じ発想ですね。
(ちなみに、イエローページはイタリア語でpagine gialleです。そのまんま)

libro gialloは現代イタリアで生まれた表現ですが、黄色は古くからキリストを裏切った弟子ユダの色として用いられています。

有名な絵画、例えば、ジョットの『ユダの裏切り』でもユダの衣服は黄色で描かれています。

Giotto - Scrovegni - -31- - Kiss of Judas
ジョット『ユダの裏切り(ユダの接吻)』( パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂 )

『最後の晩餐』でも黄色で描かれることが多いです。

Domenico ghirlandaio, cenacolo di ognissanti 01
ドメニコ・ギルランダイオ『最後の晩餐』(フィレンツェ・オンニサンティ教会)
一人だけ手前に座っているのがユダ。

ちなみに、有名なダ・ヴィンチの『最後の晩餐』では青緑色を着ています。
「黄色を探せばいつもユダ」というわけではないのが、初心者にはちょっと難しい。

今日はそんなgialloを用いた表現を集めてきました。

farina gialla:とうもろこし粉
ポレンタを作る時に使います。小麦粉はfarina bianca(白い粉)。とうもろこし粉のパンもpane giallo。

razza gialla:黄色人種

giallo pallido:(顔色の)土気色
pallidoは「(顔色が)青白い」という意味で使われます。
gialloは同じように顔色の悪さを表しますが、土色の黄色っぽい顔色の悪さを表します。

mal giallo:黄疸

Fiamme Gialle:イタリア財務警察
ちなみに、「イタリア山岳守備隊」はFiamme Verde。