イタリア語のazzurroと日本語の「青」

うちの息子は3歳の頃、「水色」「青」と「緑」の識別が苦手でした。

言葉の発達の問題なのか、視覚の問題なのかがはっきりとせず、当時はかなり心配していたのですが、幼児というのは色の識別(というか識別した色を言語で分類すること)が苦手らしく、「もう少し大きくなるまで様子を見ていてよい」というのが保健師さんのアドバイスでした。


さて、日本人(大人)にとっても、「『青』をどのイタリア語で表現するか」はなかなか難しい問題です。

イタリア語で「青」に当たる単語は、ゲルマン語から入ったbluと、アラビア語の「ラピスラズリ」から生まれたazzurroがあります。

一般的な説明では、bluが「濃い青」azzurroが「明るい青」
(↑wikipediaの色見本が見られます)

とはいえ、bluが「ネイビー」ほど濃いかというとそうでもないし、azzurroはむしろ「水色」に近いようにも見えます。

なら「水色」がazzurroかというとそうではなく、「水色」にはちゃんとcelesteという別の単語があります。
ちなみに、celesteは「空の色、天の色」の意。

うーん、なんともややこしい。

小学館の伊和中辞典の説明を読んでみましょう。

「celesteは快晴の空の「青」、bluは晴れた夜空の「やや暗い青」、azzurroはその中間の晴れた空や海の「青」を指す」

伊和中辞典 〔第2版・改訂新版〕


空の色なんて、移ろいやすいので基準にはならないような気がしますが、日本語の「水色」も無色透明な水の色の見え方を名前にしているので、イメージを特定しづらいという点では同じですかね。

他にも、「マリンブルー」とblu marinoが違う色だったり、そうかと思えば「ターコイズ」とturcheseは同じ色だったり……。

とにかく、「青」がらみの単語にはとても気を使います。

さて、そんな「青」にまつわる表現を集めてみました。

Azzurri
ご存知「イタリア代表」
ユニフォームの色に由来します。
サッカーだけでなくバレーボールの選手も指します。
他にもあるかもしれません(スポーツにはうといんです、すみません)。

Principe Azzurro
白馬に乗った王子様(理想の男性)」をイタリア語では「青い王子様」と表現します。azzurroには「理想の、しあわせをもたらす」といったイメージが。
「児童虐待相談受付電話」もtelefono azzurroだそう。

Costa Azzura
コート・ダジュール」はイタリア語でこうなります。
フランス語で書くと、Côte d’Azur
学習者としては、フランス語の前置詞句がイタリア語では形容詞に代わっていることに注目。

sangue blu
Lui ha il sangue blu. と聞くと「冷血漢」を想像しませんか?
ところがなんとsangue bluは「貴族の血」を表します。
avere il sangue blu(もしくはesseredi sangue blu)というと、「貴族の出である」。

pesce azzurro 
青魚」のこと。
青魚の色は、bluではなくてazzurroなんですね。へー!

auto blu
公用車」。車体の色から来ています。
いわゆる「ネイビー」よりも濃い。
私は、ずっとこの車の色を「黒」だと思っていました……。
こちらのニュース記事(イタリア語)で写真が見られます。