東京で食べるイタリア20州 プーリア料理(予習編)

イタリアをブーツに例えるなら、ヒールに当たるのがプーリア州です。
というと縦長でせまそうなイメージですが、実際には平野が広がるイタリア随一の農耕地帯。
ほんとうに食べ物の美味しい州で、プーリアを旅行した人とは大抵ごはんの話になります。
海の幸も山の幸もおいしくて、オリーブやトマト、小麦といったいわゆる「イタリア料理食材」もたくさん生産しています。
うーん、ごはんがおいしくないわけがない!
プーリアを代表する料理といえば、耳たぶ型パスタのオレッキエッテ(Orecchiette)。
くたくたにした葉野菜チーマ・ディ・ラーパ(Cima di Rapa)とあえるのが有名ですね。
日本では代わりに菜の花を使うことが多いですが、ルッコラで代用したOrecchiette alla rucola(ルッコラのオレッキエッテ」もおいしいんですよ~!
小麦といえば、トスカーナへの留学時代、スーパーのパン売り場で不思議なものを見かけました。
乾パンのようなカリカリのパンなのですが、「これはパンというより、スナックでは……!?」といった乾燥具合。
カタツムリ大の指輪の形や、ベーグルをカリカリにして水平に切った形……。
よく見るとProdotti tipici pugliesi「プーリア特産品」と書かれています。


実はこれ、れっきとしたプーリアのパンでした。
指輪型がタラッリ(Taralli)。ベーグル型がフリセッレ(Friselle)といいます。
タラッリはそのまま、フリセッレはブルスケッタのように具をのせて食べるのが一般的。
プーリアはこうしたビスケット感覚の粉物が多いのだとか。
プーリアのパンといえば(小麦トーク、まだまだ続く)、私にはあこがれのパンがあります。
アルタムーラのパン(Pane di Altamura)です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ムッジャ地域でとれる独特の硬質小麦を使い、焼き窯で焼くパンです。
テレビで見てから憧れの存在。
熱々の窯から取り出して割ると、湯気と一緒に顔を出す、ほかほかふかふかの黄色い生地。
無骨な、硬そうな皮もかじりつきたい。
決して均一とはいえない立ち姿もたまりません。

そんなプーリアにはどんなワインがあるのでしょう。
すぐに思い浮かぶのは、プリミティーヴォ(Primitivo)。
アメリカのジンファンデル(Zinfandel)と同じ品種であることがわかっています。
この話、何度聞いても忘れてしまって、「ねえ知ってた!?」と同じ人に何回も同じ話しています。ははは。
他には、ネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia、名前に古代ギリシアのロマンを感じますね~)や、ネグロアマーロ(Negroamaro、有名なSalice Salentinoになります)などが有名でしょうか。
小麦の話ばかりになりましたが、プーリアにはとっても美味しいチーズもあるのです。
次回は、そのチーズが食べられる東京のレストランのお話。
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イタリアワイン 2018年版 (プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル)
イタリアの地方料理――北から南まで 20州280品の料理

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東京で食べるイタリア20州 第4回 プーリア料理(レストラン編) – PIERIAのコラムブログ
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